玄米と白米の違いとは?

 

 

食卓において、お米は多くの文化で主要な食材として親しまれてきました。

私たちが普段口にしている白いご飯、通常のごはん、それは白米のことを言います。

しかし、おそらく玄米という言葉も耳にしたことがあるでしょう。

玄米と白米、これらの二つの種類のお米は、その製造過程や栄養成分において大きな違いがあります。

玄米は茶色のお米で、外側の層を取り除かずに提供されます。

一方、白米は精白された形で市場に出回っています。

この違いが、健康や料理の面でどのような影響を及ぼすのでしょうか。

詳しく探究してみましょう。

 

 

玄米と白米の違い

 

外観の違い

 

白米と玄米の写真

 

左側の白いお米が白米です。

白米は通常のごはんとして広く知られており、外側の層が精製されています。

精白された結果、白く見え、ご飯の食感が軽やかです。

 

右側の茶色いお米が玄米です。

玄米は外側の層が残されています。

そのため、茶色い外観が特徴で、食感は少し歯ごたえがあります。

 

 

お米の構造を見ると、玄米と白米には明らかな違いがあります。

玄米は、胚芽(はいが)、ぬか層(ぬかそう)、そして胚乳(はいにゅう)がすべて残っています。

これが玄米の特徴で、栄養価が高く、独特の風味と食感を持っています。

白米は一方、胚乳のみが残されており、胚芽とぬか層が取り除かれています。

この精白された状態が、白米の軽やかな食感と穏やかな味わいにつながります。

 

 

見た目と味の違い

 

玄米の色

 

玄米は一般的に褐色や赤褐色をしています。

この色は、外層に残る糠層や胚乳の存在によるもので、それぞれが豊かな栄養素を含んでいます。

 

白米の色

 

白米は精白されているため、外層の糠層や胚乳が取り除かれ、白い色合いをしています。

玄米と比較して外見が洗練され、白さが特徴的です。

 

色の影響

 

色の違いは食卓や料理の見た目にも影響を与えます。

玄米はその独自の色調が温かみを感じさせ、料理に深みを加えることができます。

白米はシンプルで明るく、他の食材や調味料の味を引き立てる効果があります。

 

 

味の違い

 

白米白米は外側の層が取り除かれているため、とても食べやすく、もっちりとした食感があり、甘みも感じられます。

このおいしい味わいは多くの人に愛され、白米は一般的な主食として親しまれています。

 

玄米:玄米は、白米に比べて食感がしっかりとしており、パサつきが感じられ、独特の香りが広がります。

その風味をひとことで表現すれば、「香ばしくて米糠(こめぬか)の香りがある味」と言えます。

この特有の香りと食感が、好みに合う人もいれば、苦手な方もいることは事実です。

玄米の風味と食感は、個人の好みに大きく左右される要素と言えます。

 

 

カロリーの違い

 

玄米のカロリーは、茶碗一杯(約150g)あたり約248kcalです。

一方、白米のカロリーは、同じく茶碗一杯(約150g)あたり約252kcalです。

カロリー的には、白米と玄米とでほとんど変わりません。

 

 

GI値の違い

 

GI値「グライセミック・インデックス(Glycemic Index)」とは食後の血糖値の上昇を数値化したものです。

血糖値が上昇すると、糖分をエネルギー源として利用したり、貯蔵するために体内でインスリンが分泌されます。

ただし、インスリンは糖分から脂肪を合成し、体に蓄積させる役割も持っています。

そのため、高いGI値を持つ食品は、太りやすいと言えます。

白米のGI値は81であるのに対し、玄米のGI値は55と低いため、玄米の方が太りにくいと言えます。

 

 

 

 

 

 

栄養価の違い

 

 

栄養価比較 玄米 白米
エネルギー 350Kcal

356Kcal

タンパク質 6.8g 6.1g
脂質 2.7g 0.9g
炭水化物 73.8g 77.1g
ナトリウム 1mg 1mg
カリウム 230mg 88mg
カルシウム 9mg 5mg
マグネシウム 110mg 23mg
リン 290mg 94mg
2.1mg 0.8mg
亜鉛 1.8mg 1.4mg
0.27mg 0.22mg
マンガン 2.05mg 0.80mg
ビタミンE 1.4mg 0.1mg
ビタミンB1 0.41mg 0.08mg
ビタミンB2 0.04mg 0.02mg
ナイアシン 6.3mg 1.2mg
葉酸 27mcg 12mcg
パントテン酸 1.36mg 0.66mg
食物繊維 3.0g 0.5g

 

 

玄米の栄養成分

 

食物繊維

 

玄米は食物繊維が豊富に含まれています。

食物繊維は腸内環境を整え、便通を促進する役割があります。

特に糠層に多く含まれており、これが残っていることが玄米の主な特徴の一つです。

 

 

ビタミンB群

 

玄米にはビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンEなどが含まれています。

これらのビタミンはエネルギー代謝や神経機能に関与しています。

 

 

ミネラル

 

玄米はミネラルもバランスよく含んでいます。

例えば、マグネシウム、リン、カリウムなどが挙げられます。

これらのミネラルは骨や筋肉、神経の機能に関与しています。

 

 

白米の栄養成分

 

炭水化物

 

白米は主に炭水化物から成り立っています。

炭水化物はエネルギー源となりますが、その他の栄養素は比較的少ないです。

玄米に比べると、食物繊維やビタミン、ミネラルなどの含有量が減少しています。

 

脂質

 

白米には極めてわずかな脂質しか含まれていません。

一方で、玄米には健康的な脂質が含まれています。

 

 

お米の選び方

 

 

品種で選ぶ

 

お米の品種にはさまざまな種類があります。

日本では「コシヒカリ」「ひとめぼれ」「つや姫」などが人気ですが、他にも「ササニシキ」や「ミルキークイーン」などがあります。

好みや料理に合わせて品種を選びましょう。

 

 

栽培方法で選ぶ

 

慣行栽培

 

慣行栽培(かんこうさいばい)は、農業において一般的な栽培方法の一つで、日本でも多くの農家が採用しています。

この方法では、農薬や化学肥料を使用して植物を育てることが一般的です。

 

減農薬栽培

 

減農薬栽培(げんのうやくさいばい)は、農薬や化学肥料の使用量を削減し、環境に優しい持続可能な農業を目指す栽培方法です。土壌や水質の保護、食品の安全性の向上、生態系の保全などを重視しています。

 

無農薬栽培

 

無農薬栽培(むのうやくさいばい)は、農薬や化学肥料を一切使用せず、代わりに有機肥料を活用して植物を育てる栽培方法です。この栽培方法は、環境への負荷を最小限にし、食品の安全性や品質を向上させることを目指しています。

 

玄米を摂取する際、残留農薬が玄米の胚芽やぬか層に蓄積しやすいと言われています。

したがって、できるだけ無農薬栽培のものを選んでいただくことが望ましいです。

 

 

産地で選ぶ

 

お米の品質は、育った場所の気候と土壌に大きく影響されます。

各地域でお米が持つ特徴を知り、その地域の生産条件が良いかどうかを考えると、美味しいお米を見つけやすくなります。

つまり、お米の味や質は、どこで育ったかによって大きく左右されます。

 

 

お米の炊き方

 

白米の基本的な炊き方

 

  1. お米の量を測る: 専用の計量カップで(1合は約180ml)正確に測ります。

  2. お米を洗う: 米を洗って汚れや余分なぬかを取り除きます。
    さまざまな方法がありますが、米を洗う際はざるやボウルで水に浸して、手で優しく手早く洗うと良いでしょう。

  3. 浸水: 洗ったお米を適量の水に浸します。
    一般的には洗ったお米の量に対して、1.2倍ほどの水を加えます。
    水位線に合わせて炊飯器の内釜に水を注ぐ場合、必ず水平な場所で作業を行ってください。

    芯までふっくら炊くために、お米の中心に十分な水分を浸透させることが鍵です。
    通常、お米を浸す時間は30分ほどで良いですが、冬場の水温が低い場合は60分ほど浸すと理想的です。

     

  4. スイッチを入れる: 炊飯器のスイッチを入れて、炊飯を開始します。
    炊きあがるまで待ちます。
    炊きあがったら、蓋を開けずに数分おくと、ふっくらとしたご飯に仕上がります。

 

 
玄米の基本的な炊き方
 
 
  1. お米の量を測る: 専用の計量カップで(1合は約180ml)正確に測ります。

  2. お米を洗う:ざるやボウルににお米を入れ、水を注ぎ入れた後、手でかき混ぜながら回すと、ゴミやもみ殻が浮いてきます。
    精米していないため、水はあまり濁りません。
    この手順を2~3回繰り返し、不純物を取り除きます。

    その後、両手でお米をすくい上げ、手のひらで優しくこすり合わせるようにしてもみ洗いを行います。ただし、力を入れ過ぎないように気を付けてください。過度な圧力はお米を割ってしまう可能性があるため、注意が必要です。この手順により、お米の表面には優しく傷がつき、水をよく吸収し、炊き上がりが柔らかくなります。

  3. 浸水:

    水の量は、使っている炊飯器によって異なります(最新の炊飯器の釜には、玄米用の水の目盛りが備わっています)。
    通常、米の容量の1.6倍から2倍以上の水を入れます。
    ちなみに、少しの塩を加えると水の吸水率が向上し、よりおいしく炊き上がります。

    玄米は白米に比べて浸漬しにくいので、しっかりと6時間以上浸漬させるようにしてください。
    特に冬場は、より長く浸漬させましょう。
    玄米は浸漬に十分な時間をかけることで、炊きあがりが一層美味しく仕上がります。

     

  4. スイッチを入れる: 炊飯器のスイッチを入れて、炊飯を開始します。
    炊きあがるまで待ちます。
    炊きあがったら、蓋を開けずに数分おくと、ふっくらとしたご飯に仕上がります。

 

 

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